今年の夏は、短い梅雨から 激しい暑さ、
そして残暑は不安定な空模様の毎日ですね。
快適を追い求めた文明社会の中に生き、
お天気や気温にアタフタしてしまう
現代人の私たち…。
雨の日には雨の中を
風の日には風の中を
相田みつをさんの詩だったと思います。
みなさんは、雨に濡れるの キライですか?
大好きなミュージカル映画「SINGIN' IN THE RAIN」の有名なシーン。
Gene Kelly が、大雨の中ずぶぬれになりながら歌い、踊る。
…なんて楽しそう! …なんて幸せそう!
なんど観ても つい、顔がほころんでしまいます。
子どもは、濡れるの大好きですが、
大人になるにつれて「不快」に変わっていくの、何故でしょうね。
いっそ開き直って、ジーンケリーのように バッチャバッチャ 水をはね飛ばして、
子どものようにはしゃいだら、
次の雨降りが待ち遠しくなったりするのかも知れません。
昨夜、ここ神奈川県は激しい雨、朝になってもシトシト降り続き、
ようやくお昼前に雨上がり。
そんな窓の外を眺めていたら、つい雨降りのお話が長くなってしまいました。
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さて、このたび 8月23〜24日の二日間、私的時間をとらせていただいて、
ひとりで福島県いわき市を訪れました。
目的は、クイックマッサージと傾聴のボランティア活動です。
3月11日の大震災から5ヶ月を経た今も、
さまざまな問題や障害にぶつかり続ける、この国。
進捗の芳しくない復興・復旧 再生、放射能の恐怖や不安など、
方向性の見えない中で それでも人も自然界も生きつづけています。
生きつづける……それは、必ず「前に」進んでいる、ということ。
けれど、私達を取り巻く不安や苛立ち 焦りや怒りは
確実に心と体を蝕んでいる……
そう感じてならなくて、避難生活を余儀なくされている方々に
何かお手伝いはできないだろうか……
思い続けて、ついに単独で出向くことに。
同じく「支援」の活動をしている たくさんの仲間に恵まれていながら、
単独行を決めたのは?
集団での支援活動と個人でのそれには「動」と「静」の違いを感じます。
今回は、復興支援イベントと違い、避難生活をしている方々の
生活の至近距離へ入らせていただくので「静」の方で…。
…メンタルな部分を揺さぶらないようにしたい、という意図もありました。
「元気だしましょう!」よりも「少し息をぬきましょう…」的な感じ。
ここからのお話しは、実際に訪れてみて感じたことです。
初日に伺った仮設住宅の集会所では、私の到着前から ご自分たちで整理券を作って配ったり、20人近い方々がお待ちくださっていました。
そして、ほとんどの皆さんが口に出されるのは、
「遠いところから…」
「一人でこんな大勢を…」
「少し休んだら…?」
と、私への労いの言葉なのです。
みなさん、本当の「痛み」を知っているから 自然に溢れる思いやりなのですね。
目頭が熱くなりました。

二日目は 廃業した旅館を「避難所」になさっている方々を訪れました。
仮設住宅にいる方達とは、やはり雰囲気がちがいます。
疲れが色濃く、お体もより辛そうにこわばった方が多く…。
あくまで「避難所」…生活の場として根を張れてないのですから当然です。
それでも、お体への日ごろの心がけに関心が高く、不眠や顔面神経痛などへのアプローチ、簡単で効果的な運動のしかたなど、いろいろ質問を頂きました。
傾聴も今回の目的の一つではあったのですが、方言の理解力がたりず、
スムーズにお話しが聴けなかったのが、悔やまれます。
それでも、お一人あたりたった15分のクイックマッサージに、
一切の不服は聞かれず、みなさん優しい微笑みで終えてゆかれました。
ありがたいことです。
前後しますが、二日目 避難所へ伺う前に、いわき市の沿岸部
…津波の被害に遭われた町を現地の友人に案内して貰いました。
その猛威……ただただ絶句でした。
思考停止に陥るほどの、 厳しすぎる〜現実〜 でした。
でも、「解体許可」と壁に書かれた建物に、華やかな色彩で
お花がたくさん描かれていました。
そして、「がんばっぺ!」と、いたるところに書かれていました。
生きている……
生きてゆく……
苦しくとも ありのままを、受け容れ
先に進む チカラ(自然体)が だれの中にも…
時に助けが要ることも 当然 ある
でも、再び 立つ のは 他の誰でもない自分
とりとめなく、そんな 思い が ぐるぐる巡りました。
二日間で二件を訪問し、
合計7時間で28名の方への施術をさせていただきました。
「また来てください」
「またお願いします」
…みなさんの言葉。
…また……
…次(先)に向かう 意志!
却ってこちらが励まされるようで……
お一人お一人との出会い 心のふれあいが、
深い深ーいところで「礎〜いしずえ」になる…
…あぁ、これが人間(ヒトのマ)を生きるということ!
お手伝いに伺ったはずが、チカラづけて頂いたようです。
けれど、これはとても自然なことなのかも知れません。
水が高いところから低いところへ流れるように、
濃いところと薄いところがまじわるように、
どちらが優れているのでも 劣っているのでもなく、
「自然」と均一をもとめて動きつづける。
そして、お互いがさらにチカラ強く次に向かって進んでゆく……。
みんな尊いなぁ。
みんな美しいなぁ。
あらためてそんなこと思いながら、帰路も車を走らせました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
晴れた日は晴れを愛し
雨の日は雨を愛す
楽しみあるところに楽しみ
楽しみなきところに楽しむ
こちらは、吉川英治さんの言葉。
本日も、最後まで読んでくださって
ありがとうございました。