2011年06月14日

いつもはじまっている……    〜kanzoeに教わったこと

一週間前
2011年6月5日(日)
一年間を息子と愛猫と共に過ごした家をあとにした。

遡り
2011年3月11日 東日本大震災
   …14時46分、宮城県沖を震源とするM9.0 巨大地震と津波
私達の暮らす厚木も震度5弱の揺れにみまわれた。

本棚が倒れ、時計が落ちて壊れた。
心まで大きく揺さぶられながら、愛猫kanzoeを胸に抱き、施術台の下で息を詰めてやり過ごした。

盛土地盤に建てられた長屋造りの賃貸住宅
東端の我が家の部分は、地盤が下がり 玄関が開かなくなった。
南北のサッシは歪み、隙間があいて鍵すらかからなくなった。
繰り返す余震に、勝手に窓が開き、壁に亀裂が走った。

もう安心して暮らせない…。
移転を決意した。

6月1〜5日、小さい軽自動車が大きく活躍、10往復をして
ようやく殆どの荷物を新居に運び込んだ。
最後は友人に借りた軽トラと2t車の引越し便。

人もネコも物もすべてが、新しい出発のゲートに収まった。

一週間後の 6月12日(日)には、震災復興支援のイベントに参加する。
「おはなしの庵」「クイックマッサージ」「浅間太鼓」
無謀にも、3つの顔で臨む。準備も時間に追われて、部屋の片付けが捗らない。

そんな中、震災の数日前から体調が優れなかった愛猫kanzoe、
いよいよ足腰が立たなくなった。

移転を決めてから日に日に衰えていくのを見ながら、引越しまで生きられないだろう。。。そう思っていた。
もてる感覚のすべてを澄まし、コミュニケーションを試みた。

やはり、最期の時が近づいている、と言う。
「また次に出逢う準備をしに逝く…」と言う。

覚悟を決めた。
引き止めたい心も伝えて、許しを乞うた。

移転した日の夕方、キャリーバッグから出すと、すぐに水を飲んだ。
以前の家にいた時より、食もすすんだ。
…生命力。。。kanzoeの存在が輝いて感じた。

移転二日目、一部改修のため、大工さんが入って工事があった。
人見知りのkanzoeは、慣れない家で不安だったろう。
私は仕事が休めず、kanzoeに留守番をさせたのだ。
午後、帰宅すると 甘えた声で鳴き、カツオ節をまぶした缶詰を少し口にした。
その夜から、また食べなくなった。

移転三日目の朝、水を飲もうと立ち上がり、反対側に倒れた。
もう足腰が立たない…体重は2キロを下回っていた。
午前だけの仕事。お昼に すぐ帰ってくるからね…待っててね…
後ろ髪ひかれながら出勤。 昼に帰宅して、玄関を開けると
目が合った。帰宅を待って玄関をじーっと見つめていた。
「ただいま、kan。。」痩せた背中をさすった……
              ………冷たくなっていた。
抱き上げると、すでに数時間立っているらしい硬直。
待っててね、そう言ったのに。旅立つ時は見送るから、って言ったのに。
反対に 仕事に行く私を見送って、独りで逝ってしまったんだ。

最後の最後まで、私を見つめて生きたkanzoe。

イベントの準備が大詰めになる前に、ひっそりと息を引き取った。

その日の夕方、実家の庭のモチの木の根元に ちいさなお墓を作った。
kanzoeの最後の引越し。
強い子だった。健気な子だった。甘えん坊で我がままだった。
そして、いつも私を心配していた……。
モチの木の幹に触れ、梢を見上げてお願いした。
「kanの体を地球にお返しします。よろしくお願いします。」

kanの今世は終った。
でも、次の準備のまえに、まだ私のそばにいるらしい。
まだまだ、心配なのだそうだ。
うんと心配して。そして守って。

kanも心配してくれた、6・12イベントが無事終了した。
『葉っぱのフレディ』を読んだ。
『きつねのおきゃくさま』を読んだ。
『100万回生きたねこ』を読んだ。
胸にこみ上げる思い。。。でも、涙は流れず、声も曇ることはなかった。
「別れの寂しさ」より「過ごした日々の幸せ」の方が大きいんだよ!
って、 kanの声が空に響いていたんだ。

kanとの暮らしは終った。
kanが心の中に生きる日々が始まった。

まいにち色んなことが終わり
おんなじ数だけ新しいことが始まっている。
すべて、大きな大きな流れの中に。。

これからも幾多の「終わり」に涙することだろう。

けれど、そこに輝く「始まり」が必ずあることを
kanzoeは、この心に囁き続けてくれるんだ。

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posted by amico at 02:25| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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